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菅島町弓祭り1

菅島町弓祭り1

形態を少しずつ変化させながらも豊饒と大漁、悪霊を払い無病息災や海上安全を祈る島の最も大きな祭事の一つとして今に伝えられる。かつては旧暦正月十七日に行われていたと言うが、近年は新暦17日に最も近い土日に催行される。町は上下二郷に別れ、交代で「さかな番」と「射り番」の役を受け持つ。新年を迎えた旧正月5日「寄りぞめ」と呼ばれる初寄合が開かれ、その年の弓太夫(ゆだいどん)と弓子が決められる。それぞれの家の玄関口には新しい注連縄が張られ不浄の者はその家に入ることが出来ない。当日は午前9時頃から菅島神社の大祭が執り行われ、4名の舞姫と3名の囃子(男子)も列席し舞が奉納される。それより先、早朝に弓太夫(弓大将)と弓子(お弓衆)は東の浜で朝の垢離をとって身を清め、弓祭りに備える。午前10時、八幡大神宮の軸を掛け、大根を桂剥きにして「ドーマン・セーマン」を描き中央に塩を乗せた平膳を飾った床の間を上座に、町内会・漁協・元老会による「加寿神宴」が執り行われる。弓太夫・お弓衆が御神酒を受けた後、一行は東の浜で「清めの神事(垢離取り)」に向かう。道中7人の若衆がこれを迎える。正午になると社務所から潮振り→くじもち→楠め引き→矢取の子(大・漁・吉)親→お弓衆の順に行列を組み、竹を立て注連縄を張った城山前へと移動する。使い頭が「御神祭へ出会しゃってください」と呼び込みに来ると再び行列を組み、道中に置かれた潮桶で身を浄め祭場へと出向く。一行が祭場に着くと2ヶ所(社務所前・校門)の注連縄が切られる。氏子総代等によって墨で中央に「鬼」の字を書いた「的」が付けられ、酒樽が運び込まれ、子供たちの神輿、若者による俄狂言の後、弓入りが開始される。弓は6人が3人づつ3回出て2本の矢(合計18本)が射られる。的は「真当の神」と称して、氏子に配られ各家の神棚に飾られる。参考文献:菅島町編・発行『ふるさと菅島』昭和54年 他

大分類
歴史・文化/行事・イベント
小分類
神社・仏閣/冬
撮影場所
鳥羽市菅島町
撮影日
平成29年1月14日(2017.01.14)